裕子の小説置場☆
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
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千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
こんにちは! 裕子です☆
いつも小説を呼んでくださりありがとうございます!
兄が私の小説の表紙を書いてくれました!
え? 自作自演? うっせーよ、バーロー!
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
「いいお湯加減でございます、ご主人様」
そう言いながら、リビングに着替えを取りに戻る。
疲れた――今夜はいつもよりゆっくり、お湯に浸かろう――
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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あ、そういえば私、なにか考え出そうと思っていたんだけど、なんだっけ?
――ま、いっか。
と、風呂場のほうから、バスタブにお湯が張られたことを知らせるブザーが鳴った。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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あった――1977年か――
え? ってことは、刈名谷さんって、私と10歳くらいしか違わないの?
意外と若かったんだ――
おかあさん役をやってくれてるもんだから、てっきり50歳くらいかと――
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
さらに調べてみると、どうやら、「パウダー200%ハッピーターン」や「パウダー250%ハッピーターン」まで出ているらしい。
こんど買ってみよう。
で、そうそう、ハッピーターンが発売されたのは――
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
しばらく考えてみたけど、まったく思いつかない。
しかたがないので、とりあえずなにかネタが見つからないか、「ハッピーターン」で検索してみた。
――へぇー、マスコットキャラは「ターン王子」って言うのか。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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でも、いきなり裏声でハッピーターンって打ち込むのも、唐突過ぎるわ。
なにか、キャッチフレーズがあったほうがいいかも。
うーん――
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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喉にもやさしく、それでいて気分の盛り上がる発声方法――
やっぱりあれしかないか――
ママさんコーラスの練習で、よく家の中で発声練習をしていた母――運転手ではなく、実の母――のことを思い出していた。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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なかなかいいんだけど、喉には良くないわね。
これからの人生、いったい何度ハッピーターンについて検索するわからないし――
それに、ちびっこが真似して広まりでもしたら大変。
スラッシュメタル調は、これっきり封印しよう――
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「バッビィダァアン! はよ、よこせぇ!」
METALLICAの「BLACKENED」に乗せてシャウトしてみた。
ゲホッゲホッ――
だめだ、喉が痛い――
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うーん――
いいんだけど――いいんだけど、なにかちがう――
打ち込んだ文字を消し、今度はスラッシュメタル調でシャウトしてみる。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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ハッピーな声――
とりあえず、演歌調かしら?
「天城越え」の節に乗せ、こぶしを回しながら打ち込んだ。
「はぁぴぃぃいいいい~たぁああああ~ん」
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うーん、なにか違う。
せっかく検索するんだから、もっと、ハッピーな声で打たないと。
入力欄に打ち込まれた文字を消して、打ち直すことにした。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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――ガクンッ
キーボードに頭を突っ伏した衝撃で、目を覚ました。
顔を上げモニターを見ると、すでにPCは立ち上がっていた。
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風呂場の入り口横にある自動湯沸しボタンを押し、リビングのPCディスクの前に戻った。
あいかわらず、PCは起動画面のままだ。
椅子に座り、目を瞑ったとたん、急激な睡魔に襲われた。
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『ネズミに会いに』を最初から読む
PCが立ち上がるまでの間、風呂の用意をすることにした。
そういえば、入浴剤が切れてたんだっけ?
ふりかけって、入浴剤代わりになるのかしら……?
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ブラウン管モニターに映る「Windows Me」の文字。
起動するのに、5分以上はかかる。
いいかげん、買い換えたほうがいいのかしら。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
『ネズミに会いに』を最初から読む
自宅に戻ると、「スパルタンX」のカートリッジを差したままのファミコンが目に入った。
だめよ、今やりだしたら、きっと朝まで遊んじゃう。
ああ、そうだわ、ハッピーターンについて調べよう――
遊びたい気持ちを抑え、PCの電源を入れた。
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『ネズミに会いに』を最初から読む
暗がりの中、おかあさんからは見えないのを承知で、私も掲げていた手を開け閉めした。
ま・た・あ・え・る・よ・ね
タクシーが走り出した。
姿が見えなくなるまで、私はなんどもなんども手を開け閉めしていた。
千葉の浦安に住むという巨大ネズミを探しに、旅に出た私……
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テールランプが点滅した。
お・や・す・み・な・さ・い
あ、そう――――
おかあさんは、べつに5回にこだわってたわけじゃなかったのね――